羊毛の「呼吸」を殺さない。新時代の防縮技術が変えるウールの常識
みなさん、こんにちは!「雨土Amazing soil」です。
皆さんは、お気に入りのウールニットを洗濯して縮ませてしまった経験はありませんか?
「ウールは洗うと縮むもの」。それがこれまでの常識でした。しかし、その常識を解決するために、私たちがこれまで「何を犠牲にしてきたか」をご存知でしょうか。
今回は、ウールが絡み合う学術的なメカニズムと、従来の防縮加工が抱えていた「致命的なジレンマ」について深く掘り下げます。
1. なぜウールは絡み合うのか? —「スケール」の魔法と罠
ウールの繊維を顕微鏡で覗くと、表面に魚のウロコのような突起組織があるのがわかります。これを「スケール(鱗片)」と呼びます 。このスケールこそが、ウールが「天然のエアコン」と呼ばれる最大の理由です 。
人の肌のように開閉して呼吸し、湿度を調整することで、驚異的な快適さを生み出しているのです 。しかし、この優れた機能の源が、同時に最大の弱点でもあります 。
フェルト化(縮み)のメカニズム
方向性摩擦効果(DFE): スケールは繊維の根元から先端に向かって一定方向に重なり合っています。そのため、繊維が動く際に順方向には滑らかに動きますが、逆方向には鋭く引っかかるという物理的特性が生じます。
水分による膨潤と開閉: ウールは水分を含むとスケールが開く性質を持っています 。この開いた状態のスケールは、通常時よりもさらに他繊維との接触抵抗を増大させます。
物理的な絡み合い: 洗濯中の摩擦や衝撃が加わることで、開いたスケール同士が複雑に絡み合い、二度と元に戻らない「フェルト化」を引き起こします 。
2. 「ウールを殺す」ことで得ていた利便性
これまでの「洗えるウール(防縮加工)」は、利便性のためにウールの優れた機能を損なう「妥協」の技術でもありました 。
【手法】①塩素処理(クロイ加工など)
【加工の内容】①薬品(酸化剤)でスケールを化学的に溶かして削り取る 。
【致命的なデメリット】①繊維表面が損傷し、羊毛本来の強度や耐久性が低下します。
【手法】②樹脂コーティング
【加工の内容】②繊維表面を分厚い樹脂膜で完全に覆い隠す 。
【致命的なデメリット】②ウール最大の特長である「呼吸(吸放湿性)」や「天然の風合い」が著しく阻害されます 。
これら従来の解決策は、縮みを抑える一方で、天然のエアコン機能や消臭・抗菌作用といった「ウールの魂」を半減させてしまいます 。結果として、天然繊維でありながらプラスチックに近い特性を持つ**「死んだウール」**を生成しており、これが長年のジレンマでした 。
3. 「削る」から「守る」へ。新時代の幕開け
私たちが提案する「RICHWOOL」は、このジレンマに対する全く新しい回答です。
スケールを壊すのではなく、わずか0.02μm(200Å)の極薄な「ミクロの網(ネット)」で繊維一本一本をそっと包み込みます 。
呼吸を止めない: 完全に塞ぐ「壁」ではなく「網目状」の加工であるため、空気や水蒸気の通り道を確保します 。
機能を温存する: 縮みの原因となるスケールの過度な広がりは抑えつつ、ウール本来の吸湿・放湿・消臭効果は維持されます 。
「雨土 Amazing Soil」は、この革新的な素材を製品としてお届けするだけでなく、素材そのものを世界中のクリエイターの皆様へ提供し始めています 。